どうも、SHOP COPACK店長の山田です。
久しぶりにコラムを書いています。
最近は大型の什器や、デジタルサイネージなどに取り組むことの方が多くなっています。
でも今回は、原点回帰といった感じで、改めてポップスタンドについて、プロフェッショナルとして考えてみました。
アパレルショップをはじめ、多くの小売店、飲食店で使われるPOP。
と、それを掲示するポップスタンド(POPスタンド)。
商品に匹敵するくらい、お客様が目にする機会が多いのではないでしょうか。
なんせできるだけお客様に見てもらえるように設置するのですから。
それだけに、しっかりスタンドにまでこだわって選びたいところです。
ですが、実際探すといいデザインのものは少ないんですよね。
SHOP COPACKでは、数年前からデザインにこだわったポップスタンドを販売し始めました。
今では、おしゃれなポップスタンドについては、日本でいちばん売っているんじゃないかと思います。
たぶん。
数多くの企業様からのご要望に応じて、特注でのポップスタンドもたくさん作ってきました。
いわばポップスタンドのプロフェッショナルです。
たぶん。
そんな私がポップスタンドについて改めて解説していきます。
ポップスタンドを選ぶときに参考にしていただけると幸いです。
目次
ポップとは、小売業における、売り場での広告のことです。
英語である Point Of Purchase advertising の頭文字をとってPOP、ポップと呼びます。
販促ポップと言うとより分かりやすいですね。
通常は、商品名や価格、商品の説明、値引情報、イメージ画像などを表示します。
それにより、買い物客の購買意欲を喚起し、購買を促進することを目的としています。
近年では単に値引き情報だけを伝えるのではなく、
商品の生産背景などのストーリーや、ブランドとしてのコンセプトなど、
付加価値を訴求する目的で使われることが増えてきています。
また、店舗だけでの販売にとらわれず、ウェブサイトへの誘導のために使われることもあります。
例えば、QRコードを印刷してスマートフォンからその商品のPRサイトにアクセスすることを促す、といった誘導です。
ポップを構成するのは、情報を印刷したポップ用紙と、それを物理的に自立させるためのポップスタンドです。
通常、ポップ用紙は商品やキャンペーンの変化に応じて都度印刷します。
ポップスタンドはポップ用紙を入れ替えながら、ずっと同じものを使います。
つまり、ポップ用紙の掲示方式やサイズは、ポップスタンドの構造に依存することになります。
これはどんな紙に、どのように印刷するのか、というポップの運用にも影響するので、ポップスタンドは慎重に選定したいところです。
どのような形式でポップスタンドにポップ用紙を掲示するのか。
あまり意識することはないかもしれませんが、実はこれがすごく重要です。
この掲示方式がデザインとコストに大きく関わります。
デザインについては、見栄えの良いもの、店舗内装やブランドのイメージに合っているものを選びます。
その際にはもちろん、コストを合わせて検討する必要があります。
コストについては、ふたつに分けて考えます。
①ポップスタンドのコスト:導入時のポップスタンド自体の購入コスト
②ポップ用紙のコスト:入れ替え時に発生するポップ用紙の製作コスト
ふたつのコストと掲示方式の関係は、下記の例で解説します。
紙に印刷して、厚手のアクリルをかぶせる方式
デザイン:◎
ポップスタンドのコスト:△
ポップ用紙印刷のコスト:◎
厚手のアクリルやステンレスの土台を使うので、「①ポップスタンドのコスト」は割高になります。
しかし、「②ポップ用紙のコスト」は割安になります。
なぜなら、厚手アクリルを被せる場合、それほど上質な紙でなくても、ある程度見栄えが良いからです。
極端な話、事務用コピー機で印刷したものでも安っぽく見えません。
逆の例です。
パネルに印刷して、挟む方式
デザイン:△
ポップスタンドのコスト:◎
ポップ用紙印刷のコスト:×
「①ポップスタンドのコスト」は割安になります。
しかし、「②ポップ用紙のコスト」は割高になります。
なぜなら、ポップスタンドは低コストで購入できますが、
ポップ用紙(パネル)については、毎回印刷会社に依頼する必要があり、手間とコストがかかるからです。
用紙だけの金額も、紙よりパネルが高いことは間違いありません。
このように掲示方式は、デザインとふたつのコストに大きく影響します。
これらを総合的に判断してポップスタンドを選定する必要があります。
掲示方式は他にもたくさんありますが、代表的なものを紹介します。
また、それぞれのポップスタンドの「素材」についても簡単に解説しています。
紙に印刷してアクリルに挟み、スチールのフレームに差し込む方式
デザイン:◎
ポップスタンドのコスト:×
ポップ用紙印刷のコスト:◎
スチールのフレームとアクリルを合わせて使うことで、スタイリッシュなデザインとなっています。
スチールはシャープな形状と重みで高級感を感じさせます。
その分、ポップスタンドのコストは割高になります。
用紙については安価なものでも見栄えが良いので、用紙のコストは割安になります。
特にデザインにこだわる場面でおすすめです。
紙に印刷して、マグネットでとめる方式
デザイン:◎
ポップスタンドのコスト:△
ポップ用紙印刷のコスト:○
スチール製のポップスタンドに、紙に印刷したポップ用紙をマグネットでとめています。
シンプルな構造ですがスチール製なのでややコストは高くなります。
用紙は剥き出しの状態になるので傷みやすく、ある程度しっかりした紙に印刷したほうが長持ちします。
そのため、用紙のコストはやや高くなります。
紙に印刷して、クリップで吊るす方式
デザイン:×
ポップスタンドのコスト:○
ポップ用紙印刷のコスト:○
量販店やスーパーなどでよく使われる形式です。
コストに優れ、用紙サイズや設置環境も調整しやすいです。
ただ用紙面が保護されず剥き出しなので傷みやすく、安っぽく見えることも。
すぐ用紙を付け替える業態に向いています。
クリップで取り付ける部分など、デザイン的にはあまりおすすめできません。
紙に印刷して、アクリルケースの中へ入れる方式
デザイン:○
ポップスタンドのコスト:○
ポップ用紙印刷のコスト:◎
紙に印刷して、シンプルな厚手アクリルのケースに入れる方式です。
自立しないので平面的なディスプレイになってしまいます。
アクリルだけで構成されているので、シンプルでわかりやすい構造です。
用紙については安価なものでも見栄えが良いので、用紙のコストは割安になります。
デザイン、コストのバランスが良い方式です。
一方で、大きめのポップには適さない、平面的なディスプレイになりがち、というデメリットもあります。
紙に印刷して、スタンドに挟みこむ方式
デザイン:○
ポップスタンドのコスト:◎
ポップ用紙印刷のコスト:△
小型のポップやプライスポップなどで使われる方式です。
こちらは真鍮製のポップスタンドに用紙を挟み込んでいます。
ポップスタンドは低コストでデザイン的にも見栄えが良いです。
しかし、薄く柔らかい紙だとへたりやすく、厚手のしっかりした紙に印刷しなくてはなりません。
また、紙の質感も上質なものを使いたいところです。
そのため、用紙のコストはやや高くなります。
ターポリンに印刷して、吊るす方式
デザイン:◎
ポップスタンドのコスト:△
ポップ用紙印刷のコスト:×
スチール製のバナースタンドに印刷したターポリンを吊るしています。
ターポリンは耐久性、防炎性に優れたビニール製の生地です。
ポップとしてのデザインはとてもいいですが、ターポリンの印刷は安くはありません。
しかし、耐久性があり、大判印刷にも向いています。
店舗の重要な場所や、長期間使う場合、また展示会等で繰り返し使う場合におすすめです。
このように、掲示方式はポップのデザインとコストに大きく関わります。
慎重に選んでいきたいですね。
次に、置く場所による分類についてです。
掲示方式はポップスタンドにポップ用紙をどのように掲示するか、という分類でした。
対して、ポップスタンド自体をどこに置くのか、観点からのお話になります。
ポップスタンドは置く場所によってタイプが分かれます。
私たちは下記のように3タイプに分類しています。
それぞれ説明していきます。
ディスプレイテーブルやディスプレイシェルフの上に置くものは卓上ポップスタンドと呼ばれます。
POPと聞いてまず最初に浮かぶのはこのタイプではないでしょうか。
ディスプレイされている商品の横で、その商品の説明をしたり、画像でイメージを伝えたり幅広い用途で使われます。
サイズの小さいものはプライススタンドとして、価格の表示に使わることや、
展示会等でキャプションとして使われることも多いです。
飲食店での卓上メニューやカウンターメニューとしても使われます。
床に直接置くものをフロアサインスタンドと呼びます。
フロアポップスタンドと呼ばれることもあります。
アパレルショップにおいてはマネキンや小型のディスプレイテーブルの横で使われることが多いでしょうか。
床があれば置けるので様々なシーンで使うことができます。
また業種を問わず、フロアサインとして、マップ表示や、営業時間を知らせたりもします。
飲食店の店頭でメニューを掲示するような使い方もありますね。
ハンガーラックや棚の支柱などに、クランプやクリップによって挟み込んで設置するものをがクランプポップです。
主にアパレルショップで多く使用され、ハンガーラック等のポップ表示する場所がない什器に取り付けます。
ハンガーラック上は空いたスペースであり、有効にイメージを訴求できることから重宝されます。
雑貨店等ではカゴや箱にクリップを挟んで使うこともあります。
ここからはポップのサイズについての解説です。
ポップの導入を決めたものの、サイズについて迷われることも多いですよね。
下の図は、私たちの経験をもとにした用途とポップサイズの目安です。
詳しく解説していきますね。
まずは卓上ポップからです。
サイズ:B2 / A2 / B3 / A3
大きいグラフィックも見せられる大型の卓上ポップ。
卓上で面積を占有してしまうので、手前に商品をディスプレイし、その後ろにポップを置くことが多いです。
そのため、上の写真のように脚元に少し高さがついているタイプがおすすめです。
サイズ:B4 / A4 / B5 / A5
最もよく使われる卓上ポップのサイズです。
特にA4は選べる用紙も多く、さまざまな場面で使われます。
グラフィックも入れられるし、細かい文字を印刷することもあります。
サイズ:B6 / A6 / B7 / A7 / B8 / A8
B6~A8は小型のポップです。
厚手のアクリルを使ったものが、高級感があっておすすめです。
サイズ: B7 / A7 / B8 / A8 / B9 / A9 / それ以下
B7以下はポップというより、キャプションやプライスポップ、プライサーなどと呼ばれることが多いです。
価格やタイトルを端的に見せたいときに使われます。
サイズが小さいので、厚みのあるアクリルを使うことで高級感を出すことが多いです。
次にフロアサインスタンドです。
当然、卓上より大きめになります。
サイズ:B1 / A1 / B2 / A2
離れた場所から見ることを前提とした大型フロアサインではこちらのサイズが使われることが多いです。
この大きさになるとスタンドの脚が1本だと不安定なので、2本脚のスタンドや、パネルに入れてイーゼルに置いたりします。
サイズ:B3 / A3 / B4 / A4
フロアサインとしてはこのサイズ感がポピュラーです。
一本脚で支えるタイプがほとんどでしょう。
卓上ポップと同じくA4が人気ですが、さらに大きいA3タイプもよく使われます。
最後にクランプポップ・クリップポップです。
こちらは小さめのものが多いです。
サイズ:B5 / A5 / B6 / A6
構造上あまり大きいサイズのものはありません。
ただ、ハンガーラックの上などでは小さいものでも目立ちます。
サイズ:B5 ~ A9
ハンガーラックや棚板などに挟んで設置します。
小さめのポップに使われることが多いです。
安っぽく感じますが、低コストで使いやすいです。
ポップには画面が横型のものと縦型のものがありますよね。
この使い分けはシンプルに、サイズを基準に考えています。
A5以上のサイズでは基本的に縦型がおすすめです。
A5は縦も横もどちらもおすすめです。
売り場では商品の陳列面積を確保したいので、ポップスタンドはなるべくコンパクトに収めたいからです。
単純に横より縦の方が小さい面積で陳列できます。
ただし、脚元に少し高さがついているタイプは、ポップスタンドの前に商品を陳列できるので、横画面もおすすめです。
ではA5以下はどうかというと、横型の方がおすすめです。
なぜなら小さくなるとグラフィックよりもテキストの記載がメインとなり、
通常横書きで書かれることが多いので、
横画面の方がテキストが綺麗に収まるからです。
ですがもちろん、場合によります。
例えば、ハンガーラック上のクランプポップでは、スペースに余裕があるので横画面の方が使われます。
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スタンド型のポップは、画面が垂直になっているものと、画面が斜めになっているものがあります。
当社ではほぼ同じ形でも画面の角度だけ変えているシリーズもあります。
これはどう使い分けるのでしょうか?
グラフィックや大きめの文字など、少し遠い距離にアピールするときは垂直がおすすめです。
図のように目線と画面の角度の関係で、垂直の方がいろんな距離から画面が目に入りやすいんです。
近くでじっくり商品説明やブランド背景などのテキストを読ませるときは斜めがおすすめです。
直感的にお分かりいただけると思いますが、目線と画面の角度的に近くだと斜めの方が読みやすいのです。
店舗においてもDXが進んでおり、デジタルポップ・デジタルサイネージの導入を検討される機会も増えてきています。
私たちはデジタルサイネージも得意としていますので、これについてもぜひご相談ください。
ちなみに私たち独自の基準ですが、
15インチ以上のサイズをデジタルサイネージ
15インチ未満のサイズをデジタルポップ
と呼んでいます。
広義ではいずれもポップ(Point Of Purchase advertising)に含まれると思います。
デジタルサイネージを導入することで、動画やスライドショーによってより訴求力の高いコンテンツを見せたり、いちいち印刷せずにコンテンツを切り替えられたり、様々なメリットがあります。
特にA4より大きいポップでは、デジタルサイネージがおすすめです。
ただし、デジタルサイネージの画面と紙はサイズ規格が違います。
そのためデジタルサイネージで言えば15インチ以上のサイズがおすすめとなります。
実は今のところ、小さいサイズのデジタルポップはあまりおすすめしていません。
なぜかというと、どうしても電源(配線)の問題が発生するからです。
15インチより小さなデジタルサイネージ画面の大きさに対して、配線が目立ってしまいます。
商品の陳列やディスプレイの配置にも影響してしまうので、デザインにこだわる店舗では、導入しづらいのが実情です。
ですが、電源のいらない電子棚札やバッテリー式のものなんかは今後増えていくのではないかと思います。
ただ、今のところあまりデザインのいいものを私は知りません。
私たちと一緒に開発してくれる企業さんを募集しています。
デザイン性にも優れた小型電子棚札、あったらいいですよね。
長くなってしまいましたが、ここまでポップスタンドについて色々解説させていただきました。
ご参考にしていただいて、SHOP COPACKで理想のポップスタンドを見つけてもらえたら幸いです。
また、私たちはこちらに紹介した以外にも多くのポップスタンドについてのノウハウ・経験があります。
サイズや仕上げの変更などの別注ポップスタンドや、
形状からオリジナルで作る特注ポップスタンド、
など、ご要望に合わせて製作いたします。
また、販促什器も合わせ、デザインを揃えてご提案することもできます。
ぜひお気軽にご相談ください。
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