店舗用 / 業務用 ハンガーラックの選び方

5月 24, 2019

店舗用 / 業務用 ハンガーラックの選び方

いつも読んでいただきありがとうございます!
SHOP COPACKデザイナーの長岡です。
今回のコラムはアパレルショップには欠かせないハンガーラックについてです。
ハンガーラックを選ぶ際に知っておきたい情報をご紹介していきます。

 

ハンガーラックの役割とは

まず改めてハンガーラックの役割を考えてみます。
アパレルショップにおけるハンガーラックの役割は、もちろん商品である洋服を陳列することです。

この洋服の陳列についてもう少し掘り下げてみます。

洋服を陳列する方法は大きく畳みと吊るしのふたつに分けられます。
畳み陳列:テーブルやシェルフ上に畳んで置く
吊るし陳列:洋服をハンガーに掛けて吊るす

畳み陳列はハンガーやハンガーラックを必要としないシンプルでお手軽な陳列方法です。しかし畳んであるためにお客様がひとめで洋服のデザインを把握しにくく、広げることで店員さんは畳み直す手間を強いられます。

対して吊るし陳列は、ハンガーごと手に取ることでひとめで洋服のデザインを把握でき、ラックに戻すことも容易です。
また、畳みじわを防ぎ、きれいに保管する手段でもあります。
つまり選びやすく、手に取りやすく、きれいに保管できる優れた陳列方法と言えます。
ハンガーラックの役割とはこの吊るし陳列を行うための什器です。

そして、場面に応じて最適なハンガーラックを選ぶことでより効果的な吊るし陳列が可能になります。



ハンガーラックの種類

アパレルショップにおけるハンガーラックの基本は上記の3種です。
左から、スクエア型、T字型、傾斜型と呼んでいます。

これらはサイズやデザインの違いだけでなく、それぞれ違う役割があるんです。
目的に応じた種類を選びましょう。

 

スクエア型ハンガーラック

スクエア型は最もスタンダードな、いわゆる「ハンガーラック」と呼ばれているあれです。通常は左右に支柱があり、上部に水平のハンギングパイプがあるという構造ですね。
サイズ感はいろいろありますが、3種の中ではいちばん着数を掛けられる形状です。
(高さや幅などのサイズの選び方については下で詳しく書きます。)
売り場では、やはりこのスクエア型が基本になりますので最も多く使われます。

壁面に沿って連続して並べたり、アイランド什器(お店の中央一帯)としては導線そのものを作り、レイアウトに重要な影響を与えることもあります。

スクエア型を基本に、要所要所でT字型と傾斜型を組み合わせて変化をつけるのが通常のハンガーラック選びです。

 

T字型ハンガーラック

T字型は文字通り、アルファベットの"T"のような形状のラックを指します。単にT字ラックと呼ぶこともあります。
60cm幅くらいのものが一般的でしょうか。
本体サイズがコンパクトなので、移動させやすく、ときどきの打ち出しやセールによって置く場所を変えられます

T字ハンガーラックの役割はいろいろあります。
テーブル什器やファサード(入り口)周り、エンド(アイランド什器の端)など、様々なエリアで使用されます。
スクエア型に比べて少し「見せる」という役割が大きいでしょうか。

スクエア型と違って支柱が服の正面に来ないため、洋服のデザインを見せやすいという利点があるためです。

最近はマネキンやトルソーの横に置き、そのマネキンのコーディネートで使われている洋服をかける、という使われ方も多いですね。

あと、肩紐を通せるので、バッグのディスプレイにも向いています。

なんだかんだで汎用性が高いので1、2台あると重宝しますよ。

 

傾斜型ハンガーラック


傾斜型ハンガーラックとは上部のハンガーをかけるパイプが水平ではなく前に向かって斜めになっているものを指します。ただ斜めになっているだけではハンガーが滑り落ちるので、ポッチや刻みといったこぼれ止めが等間隔についているのが一般的です。

傾斜型になっているメリットですが、正面から見たときに手前の1着だけでなく、後ろにかかっている服も認識できるということがあります。

サイズや色展開など、洋服のバリエーションを見せたいときに使用されることが多いです。
ファサード付近や打ち出しテーブルの横など、「見せる」場面で使われることが多いです。

意外と流動客のマグネットになる(惹きつける)こともあり、あるお店ではファサードの傾斜ラックにかけている商品がお店の中でいちばん売れる、なんて話もあるくらいです。

 

 

丸パイプと角パイプ


ハンガーラックのデザインは様々ですが、使用されている材の形状は大きく分けて、丸パイプのものと、角パイプの2パターンに分かれます。丸パイプと角パイプの特徴を紹介します。

 

丸パイプと角パイプの機能的な違い

丸パイプ
ハンガー掛けした洋服を掛けたとき、丸パイプだとハンガーフックとの接触部分が1点になります。フックとの接触面積が小さいので表面の塗装が剥げにくく、傷も目立ちにくいです。
また、丸パイプのハンガーラックからハンガー掛けした洋服を手にとったときや戻すときの感覚が滑らかなのも特徴です。

角パイプ
ハンガー掛けした洋服を掛けたとき、角パイプだとハンガーフックとの接触部分が2点になります。
2点で接触することで、洋服掛けしたハンガーの正面がぶれずに安定し、陳列が整います。
陳列が安定し、きれいなことはショップや店員さんにとってもお客様にとっても嬉しいことですよね。

 

一般的なハンギングパイプの太さ

丸パイプ、角パイプの太さについてです。
まず、材の太さを決めるうえで、基準となるのが、ハンガーのフックのサイズです。
当たり前ですが、ハンガーのフックサイズよりパイプの方が太いと使い物にならないですよね?
一般的なハンガーのフックのサイズが約4cmほどです。
そのため、パイプのサイズは3cm以下のものでないと、使いづらいです。
僕が設計した場合は、丸パイプ、角パイプともに2.5cmほどで製作することが多いです。
もちろん、もっと細いパイプの設計も存在しますが、細すぎると洋服をたくさん掛けた際に洋服の重さでパイプがシナってしまったり、破損してケガなどにつながる場合も考えられます。
そういったトラブルは皆さん避けたいですよね。

 

一体式の特徴

一体式とは、全体がしっかりと溶接されていて分解や可変ができないタイプのことを差します。

一体式のメリット…
・しっかりと溶接されているため、グラつきが少なく安定感がある
・組み立てる手間がないので納品後、開梱してすぐに使用ができる
・組み立て式のような、パーツの境目やネジの露出がないため見た目がきれい

一体式のデメリット…
・組み立て式に比べ、送料が割高になってしまう
・使用しないときに保管するのに大きいスペースをとってしまう
・展示会場など持ち運ばなきゃいけないときにコンパクトにならず不便

 

組み立て式の特徴

組み立て式とは、各パーツを組み合わせてネジなどで固定し組み上げ使用するタイプのことを差します。

組み立て式のメリット…
・分解することでコンパクトになるため、一体式に比べ送料が割安
・展示会などにも分解してコンパクトに持っていける
・使用しないときは分解してコンパクトになるので小さいスペースで保管可能

組み立て式のデメリット…
・パーツの噛み合わせが悪かったり、ネジの緩みなどでグラつくことがある
・納品後、開梱して組み立てなければならないため、すぐに使用できない
・パーツの境目があったり、ネジの露出があるため見た目が一体式より悪い

 

高さ調整機能


高さ調整が可能なハンガーラックは、家庭用/ショップ用共に多数存在します。
掛ける洋服に合った最適な高さに調整できるので、すごく便利ですよね。
高さ調整機能が付いたハンガーラックには、有段階調整タイプと無段階調整タイプが存在します。

有段階調整タイプ
ピッチで高さが選べるタイプです。内パイプに一定間隔で穴が開いていてその穴にネジを通して固定します。内パイプにネジが噛むため、使用中に下がってきてしまうなどの問題がなく、安心して使えます。

無段階調整タイプ
自由な位置で止められるタイプです。内パイプに対し、ネジを強く押し当てて固定します。特にピッチなどの制限がなく、好きな高さで使用することができます。
ただ、強く固定したつもりでも洋服の重みで下がってしまったり、定期的にネジの緩みを確認する必要があります。
そのため思わぬ事故の原因となるため店舗用ハンガーラックには不向きです。

 

幅を決める基準


ハンガーラックを購入する際に、どのくらいの幅のハンガーラックが必要なのか悩まれる方多いと思います。
幅を決める際、簡単な目安をご紹介します。
上の写真は90cm幅と120cm幅のハンガーラックの写真です。
洋服がつぶれない適当な間隔で陳列を考えると90cm幅には9着、120cm幅には12着が掛かります。
1着10cmと考えておくと必要になるハンガーラックの幅が見えてくると思います。

 

高さを決める基準


高さもとても重要なので慎重に選びたいところです。
洋服の丈より高くしなくてはいけないのはもちろんです。
しかし、高くしすぎても売り場全体を見渡せず、圧迫感を感じるという問題があります。
そのため、高すぎず、低すぎず、適正な高さのハンガーラックを選ぶ必要があります。
当店で扱っているハンガーラックも高さは145cm程度です。
僕が過去にアパレルショップ向けに設計したハンガーラックも145cm~160cmほどのものが多く、特に問題なく使用していただいてます。
目線より上のものって見上げてるだけで、首が痛いし疲れちゃいますよね。
少し目線が下がる位置で商品を見れるような高さのハンガーラックがおすすめです。

 

アジャスター付きを選びましょう


ハンガーラックにアジャスターは必要ないと思う方もいると思います。
床って水平に見えていても微妙に凸凹していることがあるんです。
そんなときもアジャスターさえ付いていれば都度調整してガタつきを抑えることができます。
また、ガタつきを防ぐ他にアジャスターには床を傷つけないという役割もあるんです!
金属面が床と直接触れると床面が傷つきますよね。
アジャスターが付いていることで床面へのダメージを防ぐことができます。
アジャスター付きのものを選ぶことをおすすめします。

 

最後に

ここまで店舗用ハンガーラックについていろいろ書いてきました。
デザイン、コスト、機能…皆さん優先されるポイントはそれぞれだと思います。
当店では、店舗什器の別注のご相談も受け付けております。

「こんな機能が付いた什器が欲しい!」
「〇万円くらいでハンガーラックを作ってほしい!」
「新店分の什器をトータルで製作してほしい!」など

皆さんからのご相談お待ちしております。

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