こんにちは、SHOP COPACKの店長兼デザイナーの山田です。
今日は質問されることが多い、マネキンとトルソーの違いについて。
実は私はもともとマネキンデザイナーでもありまして....
今日はそんな私がその違いについて解説してみます。
と言っても以前に書いた別の記事をベースにしているのですが。
よりわかりやすくまとめてみましたのでぜひ読んでみてください。
どれも店頭で、商品を着せてディスプレイする人型のツールです。
アパレルブランドのVMD担当者やショップスタッフにとっては日常的に使われている言葉ですが、はっきり違いを説明できますか?
分かってる風で乗りきってきたみなさん、安心してください、今日で解決します。
上の写真は最もオーソドックスな「マネキン」と「トルソー」です。
その違いはズバリ、頭、腕、脚の有無です。具体的には以下のとおり。
マネキン:全身(頭と腕と脚がある)
トルソー:胴体部分のみ(頭と腕と脚がない)
ボディ:ほぼトルソーと同義(特に布張りのものを指すこともある)
以上が基本となります。
基本に収まらないものも解説します。
頭のないマネキンはヘッドカットマネキンと呼びます。脚はないけど腕のついたトルソーは、そのまんま「腕つきトルソー」なんて呼んだりします。頭と腕がついたトルソは「ヘッドつき腕つきトルソー」と私は呼んでます。このあたりは人によって違うようですね。「脚なしマネキン」という呼び方はあまり聞きません。
ひとまず、マネキン=全身、トルソー=胴体が分かっていれば問題ないでしょう。
マネキン:mannequin(仏語):「モデル」
トルソー:torso(伊語):「胴体」
ボディ:body(英語):「身体、胴体」
らしいです…無駄に国際的ですね(笑)
当たり前ですが、実際はマネキンもトルソーも服を着せてディスプレイします。そこでどのようなイメージの違いがあるのかご覧ください。
左がマネキン、右がトルソーです。どちらも同じコーディネートですが、だいぶ違ったイメージになりますね。
マネキンは頭、腕、脚があることで、実際に人が着ている状態に近い見せ方ができます。それはつまり買い物中のお客様も自分を投影しやすく、購買意欲に直結するような効果があります。
トルソーはもともと洋服のパターンを作るとき、裁断用で使われていました。そのため、テーラーっぽいオーセンティックなイメージになります。内装に合わせて素材感や雰囲気を重視したいときにもおすすめです。
メンズの場合はこんな感じ。
マネキンは丈感、サイズ感、シルエットなどを見たまんまわかりやすく伝える効果もあります。さらにはポーズの違うマネキンを並べて使うことで、動きやシーンを表現し、ディスプレイに躍動感を与えることができます。
トルソーは布貼りや鉄の素材感が、ナチュラルやノーブルなイメージも表します。内装にも馴染みやすく、店舗のイメージを演出するプロップ(小道具)として使われることもあります。またマネキンと比べて比較的軽量で扱いやすく、着替えさせることも簡単であるという利点もあります。
上の写真は当店の最新トルソーです。
前述したヘッドつき、腕つきトルソーですね。マネキン、トルソーの違いを書きながら、こんなまぎらわしいものを紹介してすいません。作ってすいません。しかし、このような、マネキンとトルソの融合したような、「まぎらわしいもの」が流行してきているのです。
数年前からヨーロッパで、最近は日本でも見かけるようになってきました。素材感を打ち出したり、異なる要素をミックスしたり、といった部分がファッションのトレンドともリンクしてくるのでしょう。
脚の有無以外にも、マネキン、トルソーそれぞれには素材、製法が違うことから次のような特徴があります。
マネキンはFRP製で白塗装仕上げのものが一般的です。FRPは比較的、型改造がしやすいため、ブランドに合わせてポーズや体型、顔を改造した別注品を作ることができます。中規模以上のアパレルでは別注品を作ることが慣例でしたが、昨今ではコストダウンと小ロット発注のため 、既成品を使うことも増えてきました。
当店ではお客様に合わせて別注品、既成品両方を提案しています。
トルソーは金型によるプラスチックまたはスチロール製のものが一般的です。表面は布張りのものと塗装仕上げのものがあります。金型成形のため、マネキンに比べて安価ではあるものの、型改造は難しいです。
私は通常、ブランドに適した既成型を選択し、布の素材やベース仕様などのコーディネートでオリジナリティを表現することが多いです。
最後になりますが、マネキンとトルソーの違いは分かったけど、使い分けに迷っている、という担当者様はぜひSHOP COPACKまでご相談ください。
トルソー選びのアドバイスから本格的なマネキン開発まで、全てご提案いたします!
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